Diary
日々の記録と絵と
980614 日曜日
曇り友人のMと昼下がりの散歩がてらに車でぶらぶらする。200km程度なら僕らには散歩の範囲。
出来るだけ緑のきれいな道を選んで、気ままに気に入った曲を流し、取り留めもまとまりもないけれど日ごろ気になる話をする。お勧めの音楽について。男女の就業意識の差について。今度の参議院選の投票率は下がるのか。政治談義が青年層にはあまりないとか。ここには書きにくい事とか。こんなふうに男同士で過ごすのは結構好きだ。増水して沈下橋も頭しか出していない木津川を遡り、甲賀を廻って東海道を走る。
田舎のスーパーで用足しをしていて、赤井英和のポスターに目が止まった。「父の日」の販促ポスターかな。ここで今日が父の日で無いことを知る。来週だ。(というわけです。昨日の内容をここに訂正します)
国道1号が距離を置いて開通したおかげだろうか。滋賀甲西町辺りの東海道筋は、今も往時の豊かさを伝えるように深く軒先を出して甍の家並が続いている。梅雨のはっきりしない夕刻の光も趣に変えて。2度ほど通り抜けるトンネルの石組みは、かつての先取の気概を映した石造の美しいアーチ。自転車や原付きでゆっくりと走りたいなあ、等々語り合う。
僕らはよく数人で、こんなささやかな旅をする。もう中学の頃から。乗り物が自転車から単車になり、車になりしたが、出掛ける先は何時ものどかな地方道になる。
ゆっくり話しが出来るからか、単に渋滞が嫌いなのか、移動中の景色を楽しみたいのか。実はその全てなのだが、やがて僕らが妻や子供を持つようになっても、きっと時々は同じようにこうして田舎道をいくんだろうと思う。夜、録画しておいたワールドカップ、アルゼンチン対日本戦を見る。サッカーは全然分からないが、なんだか中田を見直した。
今日の終わりに 昨晩初めてほかのサイトからリンクして頂く。本当にうれしい。気の利いた表現の仕方が思い浮かばない。
日々の記録なのだから、無粋でもこうして残しておくことにする。
WEBページというのは育ててゆくものなのかなと思う。励ましには、ありがとうでは足りない。
980613 土曜日
雨ぱたぱた。
「気い付けや。」
「うん。」「おっちゃん、おっちゃん。」
誰か覗いてる。
「お兄ちゃん、寝てるやろ。おっちゃんの、こ、ど、も。子供やねん。」
「ふーん。」ぱたぱた。
朝っぱらから、何だ。小っちゃい子がおるぞ。走りまわっとるぞ。俺は寝とるのに。
ぱたぱたの正体は、「つかさくん」だった。親爺は子供好きで、うちのおばさん犬「夢千代」を餌に近所の都築さんの3歳の子供さんを孫代わりにすることに成功した。それでも公園への散歩に一緒に行くくらいだったが、遂にわが家に招待した訳だ。
しばらくして妹のチビちゃんとお母さんもやってきた。しかし、やんちゃそうな顔しとるなあ。
客人3人を見送って仕事へ出掛けた。
そういえば明日は父の日だったと思うので、親爺の好きな「水原弘」の全集もんのCDでも買ってやろうか。仕事中そんなことを考えた。黒い花びら 静かに散った
あの人は帰らぬ遠い夢
俺は知ってる
恋の苦しさ 恋の切なさ
だから だから
もう 恋なんかしたくない
したくないのさ
「黒い花びら」こんなんやったかな。あー、ここで書くなら「君こそわがいのち」の方が明るい歌やったな。
980611 木曜日
曇り最近、少しお金が出来たので、買い控えていたCDを買う。
この間は梅田のタワーレコードでハービー・ハンコックとウェイン・ショーターのデュオ"1+1"、それにショーターの大昔の作品"Native Dancer"。
今日はドロレス・ケーン"Solid Ground"を中古で。このところ、ケルトの文物もブームになって久しい。僕は全然詳しくないけど、ドロレスさんのしっかりしたおばさん声は、いい。このアルバムは曲もアレンジも割合ポップで聴きやすい。
ケルト・フォークを聴きながら去年の暮れに3週間ほどヨーロッパを旅したときに知りあった松野真理さんを思いだす。
年も明けて新年を迎えたうす寒いヴェネツィア。離れ小島のユースでご飯を食べていたら、声を掛けてくれたのが彼女だった。
「御一緒していいですか」
小柄だけど彫りが深くて、どこの国の人間か分かりかねていたが日本人だった。教会がやってる女性用の宿にいるが、食事だけとりに来たのだという。「アイルランドで暮らしてたんだけど、引き払ってきたの。日本にそのまま帰るのも何だから、数カ月掛けて旅してるのよ。」
イタリア北部の小都市の連なるヴェネト州には、美しく生き生きした町が数多い。ヴェネツィアに来る前、建築家カルロ・スカルパの代表作であるカステル・ヴェッキオのレストアをみるために、ほんの数時間だけ立ち寄った町「ヴェローナ」。
何というのだろう。あれが成熟した都市というんだろうか。大人の町だ。整理してない引きだしみたいな大阪に住んでる僕は恥ずかしかった。そして感動したものだ。
彼女はヴェローナには何度も行ったことがあって、とても好きな町だという。夜も更けるまで連日行なわれる夏のオペラ、落ち着いた時間を過ごす人々。積み重ねた歴史、それを今に生かしていられる美意識と技量。等々。
途中から九州男児のロンドン留学生も入って、楽しい夕食になった。もう三十路も半ばと思われる彼女。二月にもらった絵葉書はイスタンブール、四月はシリアからのものになっていて、イスラムの国々に夢中だという。まだ旅は続いているのだろうか。帰ったなら彼女の故郷の鎌倉を訪ねてみたい。
Solid Ground.
かたい大地。松野さんの過ごしたアイルランドの数年はもう追憶の対象になっているだろうか。僕には、ケルト・フォークはそんな想像をさそう音楽だ。
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