商用であの人の住んでいた街へ行く。街の佇まいは一年経った今でも変わらなかった。 今年も何事もなかったかのように紫陽花が色づき、人やクルマが行き交っていた。
ぬくもりの消えた街角で、ただひとつ残された言葉だけがさまよっていた。 迷宮の街でかわした言葉だけが。 あなたが抱えきれなかった、行き場のない悲しさや哀しみは何処に向かおうとしているのだろう。